2013年2月11日 08:00 (サンケイスポーツ)
川澄姐さん“貫禄ループ”レベルの違い見せつけた
16歳以下の若手選手と競り合う川澄(中央)。ベテランとは呼ばせない(撮影・安部光翁) (サンケイスポーツ)
サッカー・日本女子代表候補強化合宿(10日、大分市内)3日目は午前中、各年代の選手たちがポジション別に分かれて練習。午後は年代対抗で9対9のミニゲームを行った。
参加選手最年長の日本女子代表「なでしこジャパン」FW川澄奈穂美(27)=INAC神戸=は、U-19代表候補チームを相手に貫禄のゴール。「自分のプレーを見て気づくことがあると思う」と、ピッチで“無言”の活を入れた。
貫禄の一発だ。世代別対抗で行われた9対9のミニゲーム。FW川澄がU-19代表候補チームを粉砕した。
「レベルの違いを出さないといけないと、思っていました」
ゴール正面でボールを受けると左足を一閃。ループ気味のシュートは、相手GKの頭上を越えて右隅に吸い込まれた。今季からチームメートになるFW道上彩花(18)=宮城・常盤木学園高=の前で、先輩ストライカーの威厳を示した。
午前中には、ポジションごとに各世代のメンバーが入り交じって練習した。しかし、常盤木学園高1年のFW白木星(あかり)が、「まだ、川澄さんとは何もお話できていないんです」と恐縮するなど、なでしこジャパンのエースは近寄りがたい存在だ。
「自分も若かったときは(先輩の元に)行けなかったと思う」と理解を示す川澄は、「聞きに来れば教えるけど、自分のプレーを見て気付くこともあると思う」。後輩にあえてアドバイスを送らず、ピッチで“無言”の活を入れた。MF澤穂希(34)=INAC神戸=らベテランが不在の中、ピンクのスパイクを履いた27歳の“オシャレ番長”は最年長としての自覚十分だ。
2015年カナダW杯まで大きな世界大会がない。この2年間をレベルアップの時間と定め、「今までパスを選択していたところで積極的に足を振り抜きたい」とまずはゴールへの意識改革から始める。
「まだ、ベテラン扱いされる選手じゃない。もっと成長しないといけない」
若手の発掘を目的としている今回の合宿でも、川澄は持ち前のハングリー精神で定位置を譲らない。
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