南シナ海など周辺諸国との係争地が記載された中国パスポートの地図(ロイター)
インド海軍 必要あれば南シナ海に部隊派遣
2012.12.3 20:07 [アジア・オセアニア]
【ニューデリー=岩田智雄】インドのPTI通信によると、ジョシ印海軍参謀長は3日の記者会見で、中国海軍の増強に深い懸念を示し、南シナ海での航海の自由やベトナムとの共同資源開発を守るため、必要があれば艦隊を派遣する用意があると述べた。軍幹部が、南シナ海問題で強い姿勢を表明するのは異例。
ジョシ参謀長は、南シナ海での偶発的な衝突の備えを問われ、中国海軍について、「近代化が実にめざましい。われわれの懸念の非常に重大な要因だ。
取り得る措置と戦略について検討し、立案していく」と述べた。また、「(航海の自由や資源探査など)国益に関わる事態で必要があれば、現地へ行くことが求められるし、備えてもいる」とした。ただし、インド海軍は、南シナ海に十分な艦隊を展開する装備は持っておらず、発言は中国を牽(けん)制(せい)する狙いがあるとみられる。
南シナ海を呑み込む「舌」 中国、新旅券の査証に描かれた地図
関連ニュース
中国、インドと技術協力で調印 鉄道整備で日本のライバルになる可能性も
実行犯の死刑を執行 日本人ら160人超犠牲のムンバイ同時テロでインド当局
尖閣「国際法に従い解決を」 インドのシン首相、日本に理解示す
中国がインドの「ミサイル開発の父」を招聘
インド閣僚や元軍幹部が日印協力の重要性強調 中国台頭見据え
南シナ海を呑み込む「舌」 中国、新旅券の査証に描かれた地図
2012.11.27 19:54 [中国]
南シナ海など周辺諸国との係争地が記載された中国パスポートの地図(ロイター)
中国の新旅券の査証(ビザ)欄に描かれた地図。円内には、南シナ海のほぼ全域を囲む破線が引かれ、一部島嶼(とうしょ)の領有権を争うベトナムやフィリピンが抗議している。
破線は、1947年12月に中華民国が作成した地図に初めて登場。破線の数から「九段線」、見た目から「U字線」「牛の舌」とも呼ばれる。
国際法上は意味をなさず、中国政府も領有権の根拠とはしていないが、「線内は外国船舶の自由航行を認めない」と主張する中国の学者もおり、疑念の目を向けられることが多い。
関連ニュース
中国新旅券の図柄影響なし 米国務省、中国領と承認したことにはならず
中国、新旅券に南シナ海「領土」とする地図 フィリピンが抗議