<海上保安官>志願者2.5倍…領土問題や「海猿」後押しか
毎日新聞 9月29日(土)11時36分配信
海上保安官を養成する海上保安学校(京都府舞鶴市)の学生採用試験申込者数(春入学分)が今年は7708人に上り、前年の約2.5倍となったことが分かった。申し込み状況を明らかにした第3管区海上保安本部(横浜市)は(1)公務員人気(2)海上保安庁の認知度向上(3)映画「海猿」効果--と理由を推測するが、真相はよく分からない。
同校は海上保安庁の教育機関で、入学と同時に同庁職員となる。全寮制で1~2年学び給与も支払われる。
来年4月入学の受験者は7月24日~8月7日にインターネットや郵送で募った。人事院によると、受験申込者は7708人で11年の3064人から急増。女性は1201人。
3管本部の担当者は「不景気による公務員人気の高まりに加え、尖閣諸島や竹島を巡る領土問題で海上保安庁の仕事が報道され認知度が上がったのでは」と話す。7月13日から、海上保安庁を舞台にした映画「海猿」シリーズの4作目「BRAVE HEARTS 海猿」が上映されたことも理由に挙げた。
ただ公務員人気は今年に限ったことではなく、尖閣諸島や竹島を巡る領土問題が本格化したのも募集が終わってから。過去に海猿のシリーズ作が上映された年の申込者数(春入学分)は▽04年3160人▽06年2640人▽10年2968人で、今年のような大幅の伸びはない。
3管本部管内の試験場への申込者数も今年は1512人に上り前年の566人の約2.7倍。3管本部の三木基実本部長は「ありがたいこと」と、うれしい悲鳴を上げる。30日に全国で第1次試験が行われ、最終的に約190人が採用される。【宗岡敬介】
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最終更新:9月29日(土)12時15分