企業の3割近くが国内生産設備・人員に過剰感
2012.5.5 01:11
景況感は改善しつつあるが、震災や欧州債務危機による景気低迷で過剰感が指摘されていた国内生産設備や人員の問題はなお残っている。アンケートでは25%が「過剰感が若干ある」と回答。「過剰感がある」の3%を加えると3割に迫る。特に韓国や台湾のメーカーと厳しい競争を強いられている電機メーカーに多い。
国内生産を維持するための政策的課題は、「円高対策」が最も多く、「電力供給の安定化」が続く。さらに「法人減税」と「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加」が上位を占めた。「少なくとも海外のライバル企業と同等の競争環境を整備してほしい」(電機)など、輸出産業を中心に悲痛な叫びに似た意見が多く、生産を海外に移す産業空洞化への強い懸念を示している。
一方、東日本大震災で被災した工場などによるマイナスの影響は着実に薄れつつある。28%が「すべて解消された」と回答。「だいぶ解消された」と答えた企業も半分に達した。
ただ、「製品の出荷前に放射線量のサンプル測定を続けている」(自動車)との回答もあり、完全に影響がなくなったとはいえない。