<ミクロラプトル>輝く羽毛の恐竜…1億年前、四つの翼持つ
毎日新聞 3月9日(金)4時0分配信
白亜紀前期(1億4500万~1億年前)の4本脚すべてに翼があった小型羽毛恐竜「ミクロラプトル」が、玉虫色の光沢を放つ黒い羽で覆われていたことを北京自然博物館などの研究チームが突き止め、9日の米科学誌「サイエンス」に発表した。輝く羽毛を持つと分かった恐竜は初めて。
ミクロラプトルは、1億2000万年前ごろ中国・遼寧省で生息していた。四つの翼を広げ、ムササビのように木から木へ滑空したと考えられている。
研究チームは、ミクロラプトルの化石に残された羽毛を電子顕微鏡で観察した。その結果、黒や灰色に発色するメラニン色素を含むメラノソーマが非常に細長い特徴を持っていた。現在の鳥類では、光沢のある羽毛を持つ鳥で非常に細長い形のメラノソーマが確認されている。このため、ミクロラプトルの羽毛も光沢を放ち、光のあたり方によって玉虫色に輝いていたと推測された。
ミクロラプトルは長い尾羽も持ち、研究チームは「輝く羽毛と尾羽が、交尾相手の気をひく装飾のような役割を果たしていたのかもしれない」と推測する。
真鍋真・国立科学博物館研究主幹は「白亜紀前期に光沢を持つ恐竜がいたということは、鳥類の先祖である恐竜が早い段階から高い社会性を持っていた可能性がある」と驚いている。【永山悦子】
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最終更新:3月9日(金)11時29分