【金正日総書記死去】
「罪の部分を検証すべきだ」「一日も早く交渉し解決を」拉致被害者集会に400人
2011.12.28 23:53 [金正日総書記]
金正日葬儀にあわせて、集会が行われ、横田滋さん、早紀江さんら拉致被害者家族会も参加した=28日午後、東京都文京区本郷(鈴木健児撮影)
「独裁者を追悼する日であってはならない!」。金正日総書記の葬儀が行われた28日、北朝鮮による拉致被害者に思いを寄せる約400人が東京都文京区の区民センターに集まり、怒りの声を上げた。横田めぐみさん=拉致当時(13)=の両親、滋さん(79)と早紀江さん(75)ら拉致被害者の家族会も参加し、拉致問題の解決を訴えた。
集会では、北朝鮮問題に携わる6団体と家族会が登壇。支援組織・救う会の西岡力会長が「テレビはどこかの偉人が亡くなったかのような価値観のない報道をしている。なぜ天気予報のような解説しかないのか。独裁者が死んだら、罪の部分を検証すべきだ」と会の趣旨を説明した。
滋さんは「北朝鮮が何を考えているかを見極めて、臨機応変に政府が判断し、この機会に一日も早く交渉し、拉致問題を解決していただきたい」。早紀江さんは「私たちの大事な子供がどこにいるのか、何をさせられているのか。毎日、毎日、いろんなことを思いながら、戦い続けてきました」と苦しい胸の内を吐露した。
増元るみ子さん=同(24)=の弟、照明さん(56)も「金総書記が死んだといっても、私たちはこの正月も不安を抱えながら迎えなくてはならない。政府はなぜ被害者をちゃんと保護しろといえないのか。北朝鮮は本当に寒い。暖をどうやって取っているのかとさえ考えている」と厳しい表情で話した。
田口八重子さん=同(22)=の兄、本間勝さん(67)は「正恩氏は金総書記の遺体の前で涙を流していたので、肉親を亡くした悲しみが分かったと思う。拉致被害者の家族が悲しんでいることも分かるようになったと思う」と問題解決へ期待を示した。
関連ニュース【金正日総書記死去】談話もなく静観する韓国政府 「新体制続かない」市民も冷静…
【金正日総書記死去】拉致問題「解決へ好機」元軍人の脱北者来日
【金正日総書記死去】「市民の涙は演技」求心力低下か 葬儀を専門家ら分析
【金正日総書記死去】金剛山観光再開で協議か 北朝鮮高官と現代会長
【金正日総書記死去】新体制も軍に配慮を内外に示す 私はこうみる 慶応大の礒崎…