「サハリン2」の1.8倍の埋蔵確認 三井物産がアフリカ沖ガス田で 2018年に出荷へ
2011.11.29 09:19
三井物産が20%の権益を持つアフリカ・モザンビーク沖合の深海大規模ガス田の天然ガスの確認埋蔵量が、最大で30兆立方フィート(1立方フィート=約28.32リットル)超と、ロシアのガス田開発事業「サハリン2」(17兆立方フィート)の1.8倍にのぼることが28日、分かった。単一鉱区では、世界最大級とされる豪州のゴーゴンプロジェクト(約35兆立方フィート)に匹敵する規模となる可能性がある。今後2013年まで探査を続け、18年の出荷を目指す。
大規模埋蔵が見つかったのは、モザンビークの北部沖合にあるロブマオフショアエリア1鉱区。三井物産は08年2月に米石油・ガス開発会社の米アナダルコから、探鉱鉱区権益の20%を取得し、日本企業として初めてモザンビークの天然ガス探鉱に布石を打った。現在、共同で探査を進めている。
両社は13年まで探査を続けたうえで事業化に踏み切る見通し。18年をめどに、陸上にガスを液体にする液化天然ガス(LNG)の基地を建設。当面は年間1000万トンを生産し、そのうち半分以上を日本向けに出荷する計画だ。
モザンビークのガス田をめぐってはイタリアENIや韓国ガス公社も今年10月に大規模ガス田を発見し、探鉱が活発化している。
日本では東京電力福島第1原発事故後、LNG火力への依存度が高まっているが、日本にとって輸入量が3番目に多いインドネシアが内需を優先する姿勢を強め始めるなど、調達先の多様化が課題となっている。
関連ニュース中国、ガス田交渉再開を本格検討 日中関係安定目指す 国内世論は反発も
【APEC】日中首脳会談 戦略的互恵関係の深化確認 ガス田問題は進展せず
中国、ガス田開発に反発 南シナ海で越が印に許可
玄葉氏、ガス田開発交渉再開要請 日中外相が電話会談
豪天然ガス田 8社と長期契約 INPEX