東芝、明るさ2・8倍のLED電球技術開発
2010.4.12 19:30
東芝は12日、長寿命で省エネ効果が高いLED(発光ダイオード)電球の明るさを従来製品の2・8倍に高める技術を開発した、と発表した。技術レベルでは世界最高水準という。配置を工夫して搭載するLED光源の数を増やすと同時に放熱性も向上させ、明るさを増大する。LED電球は4月から家電エコポイントによる交換も有利になり、普及に拍車がかかっている。メーカーの相次ぐ参入で販売競争も本格化、東芝は技術優位性を前面に押し出すことで差別化を図る考えだ。
新技術はオレンジ色に似た電球色タイプのLED電球で開発した。光の出力量を示す「光束」は、これまで600ルーメンが最高だったが、約2・8倍の1690ルーメンに引き上げ、100ワットの白熱電球を上回る明るさを実現する。
LEDはそれ自体が発熱する特性を持つためLED光源を増やすのが難しく、1方向しか照らすことができず明るさに乏しいのが欠点だった。今回、LED光源を組み込む基盤を立体化し設置面を増やす一方で、放熱技術を高めることにも成功、LED光源数を増やし多方面を照らせるように改良した。
これに伴い、光が届く範囲を示す配光角度も従来製品の2倍の260度に向上。300度の白熱電球の水準に迫っている。同社は今後、市場動向をにらみ早期の実用化を目指す。
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