絶滅危惧のニホンザリガニ守れ 北海道新幹線建設地調査へ
北海道木古内町の北海道新幹線の建設現場などで、絶滅危惧種のニホンザリガニの生息が確認され、鉄道建設・運輸施設整備支援機構は5月以降、保全策を検討するため本格的な調査を行う。
支援機構が2005年以降、年2回行ってきた定期観測ではニホンザリガニを確認していなかったが、自然保護活動に取り組む函館市のNPO法人が昨年8月、着工直前のトンネル工事現場付近の沢で見つけた。
これを受けて支援機構が昨年9~10月に調査し、建設現場や予定地付近の6河川、46カ所で約530匹を確認した。
5月以降の調査では、北斗市の新函館駅建設予定地周辺まで範囲を拡大し、北海道が「保護に留意すべき種」に指定しているムカシトンボとエゾサンショウウオの生息状況も併せて調べる。
支援機構北海道新幹線建設局は「有識者らと相談し、自然をなるべく破壊しないような保全策を取りたい」としている。
環境省によると、ニホンザリガニは北海道のほか青森、岩手、秋田の各県に分布。開発による生活排水や農薬などの影響で減少が著しいという。
2010/03/31 16:11 【共同通信】