仲間の視線にチンパンジー敏感? 京大が確認
チンパンジーは、仲間の視線の動きにはつられても、ヒトの視線にはつられない―。チンパンジーの目の動きをとらえるのに成功した京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の服部裕子研究員(比較認知科学)らのチームが、こんな生態を明らかにし、24日、英王立協会の学会誌(電子版)に発表した。
ヒトでは、相手がチンパンジーでもヒトでも、相手につられて視線を動かすことも確認した。
服部研究員は「チンパンジーは、生存競争に残るには仲間からの方が重要な情報を得られるとして視線に敏感に反応している可能性がある。ヒトはチンパンジーからも情報を得る柔軟性を持ったと言えるだろう」としており、進化の過程を探るのに役立ちそうだ。
チームは、チンパンジーの前のモニターに、正面や左右を向いているチンパンジーやヒトの写真を1枚ずつ映し出した。
チンパンジーが右下の茶わんを見つめている写真を映すと、チンパンジーも同じ方向に視線を向けた。しかし、チンパンジーと同じようにしゃがみ、右下の茶わんを見つめるヒトの写真では、視線がつられなかった。
2010/03/24 09:02 【共同通信】