「銃撃のこと言えなかった」…国後沖で操業の乗組員
2010.1.31 12:04
このニュースのトピックス:事件・トラブル
照明弾のようなものを発射された漁船2隻を調べる羅臼海上保安署の係官ら=30日午後、北海道・羅臼漁港 北方領土・国後島沖で操業中の日本漁船2隻がロシア国境警備隊のヘリコプターから銃撃された問題で、羅臼海上保安署(北海道羅臼町)などの調査に、第58孝丸(平藤孝幸船長)の乗組員が「迷惑を掛けてしまうので、銃撃を受けたことは言えなかった」と話していることが31日、関係者への取材で分かった。
羅臼海保は同日、船長らの立ち会いで孝丸と第63清美丸(小島清美船長)の船体をあらためて調べ、当時の状況について事情を聴いた。
2隻は羅臼漁協所属の刺し網漁船で、29日午後、ロシア側に協力金を支払って四島海域に入る「安全操業」からの帰港準備中に銃撃を受けた。同日夜に帰港し、乗組員らは「ヘリから照明弾のようなものを発射された」と説明したが、30日になって2隻の船体に計20カ所の銃撃痕が見つかった。
2漁船に銃撃痕、20カ所 ロシア側、発砲認める
北方領土・国後島沖で日本の漁船2隻がロシア国境警備隊のヘリコプターから警告を受けた問題で、第1管区海上保安本部(小樽)は30日、北海道羅臼町の羅臼港に戻った2隻から、計20カ所の銃撃を受けたような痕跡が見つかったと発表した。
ロシア主要メディアによると、国境警備局の担当者は同日、漁船が領海に入り停船要求を無視したためヘリが警告発砲し、さらに船体を狙ったと認めた。
外務省の谷崎泰明欧州局長は30日午後、ベールイ駐日ロシア大使に電話で厳重抗議した。
2隻はいずれも羅臼漁協所属の刺し網漁船で、第58孝丸(19トン、平藤孝幸船長ら7人乗り組み)と、第63清美丸(19トン、小島清美船長ら8人乗り組み)。
1管本部によると、羅臼海上保安署が船体をあらためて調べた結果、孝丸は広い範囲で15カ所、清美丸は船首と後部に計5カ所の痕跡が見つかった。同海保は2隻の船長らから当時の状況について事情を聴いている。
2010/01/31 01:10 【共同通信】