投信の回転売買で荒稼ぎ 金融庁、コスモ証券に業務改善命令
2009.12.14 18:16
金融庁は14日、中堅のコスモ証券(大阪市)に対し、投資信託で相場の上昇時に利益の出る「ブル型」と、下落時に利益が出る「ベア型」の頻繁な乗り換えを顧客に勧めるなど、不適切な勧誘行為を組織的に繰り返したとして、金融商品取引法に基づく業務改善命令を出した。法令順守より利益を優先した経営管理体制に、不備があったと判断した。
監視委の検査によると、同社の取締役常務営業本部長(当時)が昨年11月から今年8月にかけて、各支店にブル型・ベア型の営業販売を強力に推進するよう指示。手数料収入を上げるため残高目標を高く設定した。これを受け、同じ営業員が、別々の顧客に異なる相場観を伝え、双方にブル型とベア型を乗り換えさせるなど、整合性のない勧誘を繰り返した。
顧客には多くの高齢者が含まれており、1154人の顧客に計3111件を勧誘し、合計約2億3700万円の手数料を得た。
処分を受けてコスモ証券は14日、金森巧社長を3カ月間の減給30%とするなど役員らに対する処分を発表した。販売を推進した取締役は同日付で辞職した。同社は来年1月15日までに経営管理態勢の見直しなどを金融庁に報告する。
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