中国、掘削施設完成 開始なら政府抗議 白樺ガス田
12月10日7時57分配信 産経新聞
東シナ海の「白樺」(中国名・春暁)ガス田で、中国が天然ガスの掘削施設を完成させ、運用開始間近の状態となっていることが9日、分かった。日中両政府は昨年6月、白樺の共同開発で合意。共同開発の中身が詰まるまで中国が開発を中断することを確認しており、中国側が掘削を開始すれば政府は合意違反として抗議する方針だ。
白樺ガス田をめぐっては今年7月、海上自衛隊のP3C哨戒機の監視活動で、大型のクレーン船がプラットホームに横づけされ、大量の資材が運び込まれたのが確認されている。政府は「掘削準備のための資材が含まれている可能性がある」として中国側に懸念を伝えたが、中国側は「プラットホームの維持・管理に関する作業」として掘削施設建設を否定していた。
しかし、その後も小型船でたびたび資材が運び込まれ、掘削櫓の建設も確認された。政府筋は「固定的にガスを吸い上げている状況は確認されていないが、いつでも掘削可能な状態だ」としている。
平野博文官房長官は9日の記者会見で、白樺ガス田について「開発が行われているか事実関係が確認できていないが、わが国にとって非常に微妙な問題だ。しっかりと注視し、そういう事実であれば、中国にしっかりものを言っていかなくてはいけない」と述べた。
政府は平成16年に日中中間線にまたがる白樺で中国がガス田開発に着手したことに抗議、作業を中断させた。昨年には共同開発で合意したが、開発の具体策を詰める交換公文作成交渉に中国側は応じていない。
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