公取委の審判制度廃止へ 東京地裁に機能を移管
政府は9日、公正取引委員会が独占禁止法違反事件で下した行政処分に対し、企業が不服を申し立てる「審判制度」を廃止する方針を発表した。現在は公取委にある審判の機能を東京地裁に移管する。来年の通常国会に、独禁法の改正案を提出する。
処分の是非を公取委自らが審査する現行の審判制度は、経済界から「検察官と裁判官を兼ねている」(日本経団連)といった批判を受けていた。そうした批判に配慮し、制度の公平性を高めるのが狙い。
審判制度は、談合事件などの独禁法違反で排除措置や課徴金納付を命じられた企業が、納得できない場合に公取委と争える制度。審判は裁判の一審に対応し不服の場合は高裁、最高裁に提訴できる。今回の見直しでは、最初から裁判所で不服審査の手続きを受けられるようになる。
内閣府の田村謙治政務官が記者会見し、公取委担当の政務三役が決めた見直しの基本方針を発表した。田村政務官は「将来的に審判手続きの部署はなくなるが、公取委の権限、体制を強化していくとの認識は強く持っている」と述べ、審判制度を廃止する一方で、公取委の機能強化に取り組む考えを示した。
2009/12/09 19:23 【共同通信】