2009.10.22.17:14デイリースポーツ
朱一色、大王の石室が一般公開へ
60年ぶり発掘 初期大和政権の大王墓とされる奈良県桜井市の大型前方後円墳、桜井茶臼山古墳(3世紀末~4世紀前半、全長200メートル)で、全面を朱で彩った石室が約60年ぶりに確認され、県立橿原考古学研究所が22日、公開した。
貴重な顔料の水銀朱をふんだんに使い、四方の壁は板状に加工した石1千枚以上を整然と積み上げて構築。強大な力を誇った王の威容を示し、初期大和政権の成立を考える第一級の史料。
大王クラスの墓の中心部が明らかになるのは極めてまれで、29~31日(午前10時~午後3時)に現地見学会が開かれる。
石室は内寸で長さ6・75メートル、幅約1・2メートル、高さ約1・7メートル。壁は板石(幅30~40センチ)をれんがのように積み重ね、天井は12枚の巨石でふさいでいた。
石はすべての面に朱が塗られており、魔よけや防腐のためとみられる。石室内に残っていた木棺の一部は、保存のため取り出された。
1949~50年の発掘調査で見つかっていたが、同研究所が石室構造などの解明を目指し、ことしから再調査を進めていた。