非嫡出子の相続格差は合憲 最高裁決定、民法改正論議に影響も
2009.10.3 11:03
このニュースのトピックス:憲法・法律
非嫡出子(法律上の結婚をしていない夫婦間に生まれた子供)の法定相続分を嫡出子の半分とする民法の規定が法の下の平等を定めた憲法14条に違反するかどうかが争われた遺産分割審判をめぐる特別抗告審で、
最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は、平成7年の大法廷決定の判断を踏襲、「民法の規定は憲法に反しない」として、沖縄県の非嫡出子側の特別抗告を棄却する決定をした。決定は9月30日付。
同小法廷の裁判官4人のうち、今井功裁判官は「子が自らの意思や努力でいかんともしがたい事柄を理由に、相続分で差別することに合理性はない」などとして、民法の規定を「違憲」とする反対意見をつけた。
また、合憲と判断した竹内行夫裁判官も補足意見で「社会情勢の変化などから、相続分に差を設けていることを正当化する根拠は失われつつあり、現時点では、違憲の疑いが極めて強い。立法府が規定を改正することが強く望まれている」と指摘した。
最高裁は7年の大法廷決定で15人の裁判官のうち、10人の多数意見で合憲と判断。これ以降、小法廷でも合憲判断を下してきた。ただ、小法廷内で裁判官の判断も分かれ、小差での合憲判断が続いている。
千葉景子法相は、非嫡出子と嫡出子の相続分に差を設けた規定の撤廃など、民法改正に前向きな考えを表明しており、今回の決定は民法改正論議にも影響する可能性がある。
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