向田邦子さん執筆の刑事ドラマ脚本を発見 “幻のデビュー作”
2009.9.14 10:53
向田邦子さん 作家の向田邦子さん(1929~81年)が脚本家としてデビューしたテレビドラマ「ダイヤル110番」(57~64年放送)の脚本4作が、14日までに見つかった。
現在、内容が確認できる向田さんの脚本としては最も古い“幻のデビュー作”。創作活動の原点を示す貴重な資料といえそうだ。
「向田邦子シナリオ集」(岩波現代文庫)の編集に協力したフリー編集者、烏兎沼佳代さんが、演出家の高井牧人さんが保管していた台本を確認した。16日刊行の同シナリオ集第6巻に収録される。
「ダイヤル110番」は日本テレビ系で放送された刑事ドラマの草分け。見つかったのは、59~61年に放送された「分け前」「万引部隊」「欲の皮」と、共同執筆の「しみ」の計4作の台本。
烏兎沼さんは「犯人への目線が、シャープだが温かい。後年まで“人間”を書き続ける向田さんの視点が、最初からきちんと定まっていたことが分かる」と話している。