【外信コラム】イタリア便り これも女性解放?
2009.8.2 03:00
このニュースのトピックス:欧州
最近のイタリアテレビの女性司会者や女性アナウンサーは、胸が深く開いた服装をしてしかも両の乳房をことさらに挟み上げ、その間に深い谷間を作って見せつけている。
男性の好みに合うのか、テニスなどの試合中継などでも胸の深みを見せている女性観客がいると、カメラマンがわざわざそちらにカメラの焦点を合わせるのも視聴者へのサービスの一端らしい。これは豊満な乳房の持ち主たちだからできることだが、谷間の深さはブラジャーの使い方にもよる。
ブラジャーの歴史は古く、古代ギリシャ・ローマ時代には一種のブラジャーが存在していたが、古代ローマの男性は女性の胸の豊満さを評価しなかったため、女性はむしろ豊満さを隠したり小さく見せたりする手段として着用していたらしい。
実際、現在のブラジャーの原型は19世紀末にフランスで発明され、流行の発端を作ったのは約100年前の1907年にブラジャー姿の女性を掲載した「ヴォーグ」誌だともいわれる。だが、当時も、豊満な胸をいかに東洋人女性の胸のように小さく魅力的に見せるかが目的であったようだ。
要するに、ブラジャーは昔から男性の嗜好(しこう)に従っていたことになる。これから暑さが厳しくなるとノーブラ姿の女性が現れる。これは女性のブラジャーからの解放ととらえるべきか、あるいはこれも男性の嗜好の結果ととらえるべきなのか。(坂本鉄男)